取引所が止まったとき、預けた資産の決まりと確認先

最終確認日: 2026年10月8日(法令や各社の案内は、変わることがあります。最新は、公式ページで見てください)

預けている取引所が、もし止まったら。考えたくないけれど、考えずにもいられない。

預けた資産の扱いには、法律で決まっている部分と、状況で変わる部分があります。そのため、分けて見ていきます。

読み終えたとき、「法律で決まっていること」と「分からないこと」を、分けて話せるでしょう。

取引所が止まったときの仕組みは、法律に定められています。

預けた人には、ほかの人より先に返してもらえる権利も、あります。

ただし、預けた資産が、実際にどう戻るかは、そのときの状況によります。「大丈夫」とは、言えません。

この記事では、法律が決めていることと、公式発表で確認できる実例と、見る場所を、整理します。

預け方の違いは、ウォレットは必要?取引所に預ける場合との違いで説明しています。

この記事は、その続きです。

法律の改正について(2026年10月8日確認)

2026年7月15日に、暗号資産のルールを、資金決済法から金融商品取引法へ移す法律が、成立しました(金融庁)。

ルールは、移すだけでなく、内容も変わることがあります。

暗号資産の部分の施行日(法律が実際に使われ始める日)は、確認できていません。

この記事は、2026年10月8日に確認した、資金決済法で書いています。

取引所が止まったときの仕組みの図解。1 国が関わる(報告・検査、業務改善命令、業務停止命令、登録の取消し)、2 円は分けて管理、3 暗号資産も分けて管理、4 預けた人の権利。実際に戻るかは状況による。

国が持つ仕組みと、業者の義務

取引所(暗号資産交換業者)には、国が関わる仕組みと、業者が守る義務が、法律に決められています(資金決済法)。

  • 報告や検査:内閣総理大臣は、報告や資料の提出を命じたり、営業所で帳簿を検査したりできます(第63条の15)。
  • 業務改善命令:業務の運営や財産の状況を良くするために、必要な措置をとるよう、命じられます(第63条の16)。
  • 業務停止命令、登録の取消し:法律に違反したときなどに、6か月以内の業務停止を命じたり、登録を取り消したりできます(第63条の17)。
  • 事業の廃止:業者が事業を廃止するときは、30日前までに、広く知らせます(公告)。

    利用者の財産は、速やかに返すか、移さなければなりません(第63条の20)。
  • 破産などの届出:破産の手続きが始まる申立てなどが行われたら、業者は、遅滞なく、国に届け出ます(第63条の20)。

破産とは、会社が借金を返せなくなったとき、裁判所の下で整理する手続きです。

行政処分を受けた業者は、金融庁のページに、一覧で載っています(金融庁)。

預けた資産の決まり

預けた資産の決まりは、円と暗号資産で、別です。

円

業者は、利用者の金銭を、自己の金銭と分けて管理します。

そのうえで、信託会社などに預けて、守る仕組みをとらなければなりません(第63条の11 第1項)。

暗号資産

分けて管理する決まりは、ウォレットは必要?取引所に預ける場合との違いで説明したとおりです。

ここでは、ほかの決まりを書きます。

インターネットにつないで管理する分など、すぐ動かせる状態の分があります。

この分には、決まりがあります。

取引所は、見合いの暗号資産を、自分の資産として、別に持ちます。同じ種類で、同じ数量です。

これを、履行保証暗号資産といいます(第63条の11の2)。

預けた人には、権利があります(第63条の19の2)。

分けて管理されている暗号資産と、履行保証暗号資産について、ほかの人より先に、弁済(返すこと)を受けられる権利です。

ここでいう「ほかの人」は、お金や資産を返すよう求める、ほかの債権者のことです。

これは、法律が定めた権利です。実際に戻るかどうか、いつ戻るかは、個別の状況によります。

権利を使う手続きは、国が別に定めるルール(政令)で決める、とされています。

預金保険などの補償の仕組みとの違い

預金保険や、投資者保護基金のような、補償の仕組みについて、公式のページで確認できた範囲を、書きます。

「暗号資産は対象外」と、はっきり書いた公的機関の文は、確認できていません。

  • 預金保険:預金保険機構のページは、対象の金融機関を、銀行、信用金庫、信用組合などと書いています。

    暗号資産交換業者は、その一覧に入っていません(預金保険機構)。
  • 投資者保護基金:日本投資者保護基金のページは、証券会社が扱う商品のうち、補償の対象にならない例として、「暗号資産など」を挙げています(日本投資者保護基金)。

金融庁の相談室は、登録を受けていることは、信用性を担保するものではない、と案内しています(金融庁)。

公式発表で確認できる実例

年月と、公式発表の内容だけです。評価や、比べることは、しません。

  • FTX Japan:2022年11月10日に、関東財務局が、業務停止命令と業務改善命令を出しました(金融庁)。

    同年12月9日に、新たな期間の業務停止命令が出ています(金融庁)。
  • DMM Bitcoin:2024年9月26日に、関東財務局が、業務改善命令を出しました。

    暗号資産が外部へ不正に送信され、預かり資産が流出した事案を受けた命令です(関東財務局、金融庁)。

    同年12月25日付のお知らせで、SBI VCトレードへの口座の移管が、2025年3月8日の予定と案内されました(SBI VCトレード)。
  • MTGOX:登録制が始まる、2017年4月より前の事案です。

    金融庁の資料に、2014年に破産手続が始まったと、書かれています(金融庁の資料(PDF))。

    2018年6月22日に、民事再生手続の開始が決定されました(再生管財人のサイト)。

利用者への返還の経過は、この記事では、扱いません。

民事再生とは、会社が借金を返せなくなったとき、事業を続けながら、返し方を決め直す手続きです。

口座に入れなくなったとき、見る場所

  1. 取引所の、公式のお知らせ。

    メールやSNSのリンクではなく、ブックマークなどの、自分で決めた入口から見ます。
  2. 金融庁の、行政処分の一覧。上に書いたページです。
  3. 相談先。金融庁は、個別のトラブルについて、間に入って解決を手伝うこと(あっせん)は、していません。

    まず、その業者と、解決を試みます。

    解決できないときは、会員の会社なら、日本暗号資産等取引業協会に連絡する案内です。

    登録のない業者の場合は、弁護士や、お近くの消費生活センターに相談する案内です(金融庁)。

登録を受けた業者かどうかの調べ方は、金融庁の登録一覧で、取引所の登録を調べる方法で説明しています。

この記事で、扱わないこと(2026年10月8日)

優先弁済の権利を使う手続きの中身。

破産や民事再生の手続きの中での、暗号資産の細かい扱い。

実例の、利用者への返還の経過。

これらは、公的な資料で、確認できなかったためです。

この記事は、誰が書き、どう確認していますか

書き手は、このサイトの運営者の、石橋ガイド(ペンネーム)です。公的機関や各社の公式ページの原文を開き、確認できたことだけを書いています。

この記事は、法令(e-Gov法令検索)、金融庁などの公的資料、各社の公式発表を、2026年10月8日に確認して書いています。

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