口座の乗っ取りへの備え、二段階認証とパスキーの設定
最終確認日: 2026年10月8日(設定の画面や条件は、会社ごとに違い、変わります。最新は、使う会社のヘルプで見てください)
パスワードは、強いものにしたつもりだ。それでも、ある朝ログインできなくなったら、と、ふと不安になる。
IDとパスワードを知られると、不正にログインされるおそれがあります(IPA)。多要素認証は、そのときに、ログインしにくくする備えです。
設定しておく意味と、設定しても防げるとは言えない理由。その両方を持って、画面に向かえます。
口座の乗っ取りへの備えとして、多要素認証を設定するよう、公的機関や業界団体が書いています。
ただし、設定すれば防げる、とは言えません。
この記事は、設定の前に確かめることと、3社(Coincheck、bitFlyer、bitbank)のヘルプの違いを、整理します。
多要素認証とは、パスワード(覚えているもの)、スマホ(持っているもの)、指紋や顔(体の特徴)のうち、2つ以上を組み合わせて、本人を確かめる仕組みの総称です(IPA)。
二段階認証や、パスキーも、これに含まれます。
口座の乗っ取りは、他人があなたのIDとパスワードでログインして、勝手に使うことです。
警察庁は、他人のIDとパスワードでサービスを悪用することを、「不正アクセス」という犯罪と説明しています(警察庁)。

公的機関や業界団体は、口座の乗っ取りへの備えとして、何を書いていますか
IPAなどが、多要素認証の設定を案内しています。ほかにも、次のようなことが書かれています。
- 多要素認証を設定する。
IDとパスワードが漏れても、2つ目の要素がないと、ログインしにくくなる、と説明しています(IPA、2023年9月更新)。 - パスワードを使い回さない。サービスごとに、別のパスワードにします(警察庁)。
- 公式サイトは、ブックマークから開く。メールやSMSのリンクは、押しません(警察庁)。
- 身に覚えのないログインや取引は、業者の窓口に確認する。(JVCEA)
JVCEAは、暗号資産交換業者などが会員の、業界団体です。政府機関ではありません。
2025年5月23日に、注意を呼びかけています。
フィッシング対策協議会も、多要素認証やパスキーの設定を、勧めています(フィッシング対策協議会)。
フィッシングとは、偽のメールやサイトで、IDやパスワードを盗む手口です。
金融庁にも、同じ考え方の注意があります。
ただし、証券会社などの、インターネット取引サービスについてです。
暗号資産の口座を、直接の対象にしたものでは、ありません(金融庁)。
二段階認証と、パスキーは、何が違いますか
二段階認証は、パスワードに、確認を足す方式です。パスキーは、パスワードの代わりに、生体認証などで本人を確かめる方式です。
- 二段階認証:パスワードのあとに、もう1つ、確認を入れる方式です。
認証アプリのコードや、SMSのコードを使います。
認証アプリとは、スマホで、確認用のコードを出すアプリです。 - パスキー:パスワードの代わりに、端末の生体認証や、画面ロックで、本人を確かめる方式です。
サービス側の対応が必要です(IPA、2025年8月28日)。
言葉の使い方は、会社で違います。
- Coincheck: 認証アプリを使う方式を、「2段階認証」と呼びます。
- bitFlyer: SMS、認証アプリ、メールの3つを、まとめて「二段階認証」と呼びます。
- bitbank: 認証アプリの「二段階認証」と、「SMS認証」を、別の項目にしています。
設定の前に、何を確かめますか
設定の前に、次の4つを確かめます。各社のヘルプをもとに、運営者が並べた順番です。
- 端末に、画面ロックが、かかっているか。パスキーは、生体認証や画面ロックを使います。
- OSやアプリが、対応しているか。
CoincheckとbitbankのヘルプにOSなどの対応条件が、あります。 - 登録のメールアドレスと、電話番号が、使えるか。
Coincheckは、解除の条件に、メールと電話番号に変更がなく、受信できることを、挙げています(Coincheck)。 - 機種変更の予定が、あるか。あるなら、設定の前に、引き継ぎの方法を見ます。
Coincheck、bitFlyer、bitbankでは、どこで設定しますか
3社とも、ログインしたあとの画面から設定します。場所は、会社ごとに違います(2026年10月8日確認)。
Coincheck
- 設定の場所:アプリは、アカウントのアイコンから、「パスキー認証」を選びます。
ブラウザは、ログイン後の歯車のアイコンから、選びます(アプリ、ブラウザ。ヘルプは英語表記です)。 - 認証アプリは、設定のときに出る「セットアップキー」を、保管するよう、書いています。
機種変更のとき、自分で引き継ぐための、キーです(Coincheck)。 - パスキーが必須の操作が、あります。暗号資産の送金先の登録や送金、日本円の出金先の登録や出金などです。
ヘルプの表記は、「2026年7月現在」です(Coincheck)。 - パスキーを設定したあとも、設定の変更などで、2段階認証が必要な場合があります。
bitFlyer
- 設定の場所:ログイン後の、「設定」の中の、「セキュリティ設定」です(bitFlyer)。
- 二段階認証の方式は、メール、SMS、認証アプリの3つです。
- ログイン時の二段階認証は、任意です。
外部アドレスの登録、日本円の出金、暗号資産の外部への送付では、必須です。 - メール方式は、メールのアカウントが乗っ取られると、突破されるおそれがある、とあります。
SMSか認証アプリを、勧めています。
bitbank
- 設定の場所:ログイン後の、「設定」の中の、「パスキー」です(bitbank)。
- ヘルプにあるのは、パスキー、二段階認証(認証アプリ)、SMS認証、パスワードの4つです。
- パスキーを設定すると、既存のパスワードは、自動で無効になります(bitbank)。
- パスキーの設定後は、パスワードを、自分で再設定できません。有効にしたいときは、問い合わせます。
設定したあとの動きが、会社で違います。設定の前に、使う会社のヘルプを、読んでください。
設定のあとに、何をしておきますか
設定のあとは、引き継ぎ用のキーの保管など、次のことをしておきます。各社のヘルプをもとに、運営者が並べた順番です。
- 認証アプリの、引き継ぎ用のキーを、保管する。Coincheckは、セットアップキーです。
bitbankは、認証アプリの移行機能があります(bitbank)。機種変更の前に、確認します。 - パスキーを、複数の端末に、登録できるか確かめる。
Coincheckは、別の端末にも、追加するよう、書いています。
bitbankは、複数の端末に、登録できる、としています。 - ログインの履歴を、見る。
bitFlyerは、設定に、ログイン履歴と、ログイン通知があります(bitFlyer)。
ログイン用のパスワードの管理に、パスワード管理アプリを使う、という説明があります(警察庁)。
これは、ログイン用の話です。シードフレーズの保管は、別の話です。
シードフレーズの保管で避けたいことを、見てください。
機種変更や、端末が使えなくなったら、どうなりますか
機種変更や、端末が使えなくなると、ログインできなくなることがあります。会社ごとの説明は、次のとおりです。
- Coincheck:機種変更の前の端末でだけ、パスキーを設定していると、ログインできなくなります。
前の端末が使えなくなる前に、別の端末にも、追加するよう、書いています(Coincheck)。 - bitFlyer:認証コードを受け取れないときは、二段階認証を、一度解除して、設定し直します。
ログインできないときは、本人確認のうえ、解除します(bitFlyer)。 - bitbank:端末が手元にないときのパスキーの解除は、問い合わせて、セルフィー写真による本人確認が必要です。
手続きから、1週間ほど、暗号資産の出金に制限がかかる場合があります(bitbank)。
解除には、本人確認や日数が、かかります。早めに、備えておきます。
身に覚えのないログインや取引に気づいたら、どうしますか
身に覚えのないログインや取引があったら、その業者の窓口に、確認します(JVCEAの文書にあります)。
警察庁は、サービスを提供している会社に連絡すること、警察署やサイバー犯罪の相談窓口に相談することを、説明しています(警察庁)。
偽サイトや、SNSでの勧誘に気づく方法と、相談先は、偽サイトやSNS勧誘に気づくための確認と、相談先で説明しています。
この記事で、確認できていないこと(2026年10月8日)
各社の、実際の設定画面は、確認していません。ヘルプの文章だけを、確認しました。
bitFlyerのパスキーの対応は、確認できませんでした。あるとも、ないとも、言えません。
金融庁が、暗号資産の口座について、利用者に直接書いたページは、確認できませんでした。
この記事に、被害額や件数は、書いていません。

