ウォレットは必要?取引所に預ける場合との違い

最終確認日: 2026年10月7日(法令や各社の案内は、変わることがあります。最新は、公式ページで見てください)

周りの人が、「ウォレット」の話をしている。自分は、取引所に預けているだけで、取り残された気がする。

預け方によって、管理する人が違い、必要になるものが変わります。

読み終えたとき、ウォレットの話が出ても、「鍵を持つのは誰か」と、聞き返せるでしょう。

取引所の口座に預ける形では、鍵(秘密鍵)を、取引所などの事業者が管理します。

そのため、自分でウォレットを用意する必要は、ありません。

自分のウォレットが関わる場面の例は、取引所の外へ送るときや、DeFi(管理者のいない金融サービス)などを使うときです。

2つの違いは、「暗号資産を動かすための鍵(秘密鍵)を、だれが管理するか」です。

この記事では、どちらが安全か、は比べません。決めるための事実を、並べます。

預ける場所の違い(2つ)の図解。事業者に預ける形は、鍵を管理するのは事業者で、パスワードをなくしたときは復旧しやすいと整理されている。自分で鍵を持つ形は、鍵を管理するのは利用者自身で、鍵をなくすと資産の復旧は困難と整理されている。優劣は示されていない。

違いは、鍵を持つ人

デジタル庁が野村総合研究所に委託した調査報告書は、ウォレットを、次の2つに分けています(令和8年3月。報告書(PDF))。

これは法令ではなく、国の委託調査の報告書です。「デジタル庁の見解」ではありません。

事業者(取引所など)に預ける形(ホステッド)

  • 鍵を管理する人:暗号資産交換業者などの事業者です。
  • パスワードをなくしたとき:本人確認などを経て、復旧しやすいと整理されています。
  • 事業者に事故が起きたとき:破綻やハッキングで、一度に多くの資産が流出する事故が、過去に複数回あったと書かれています。
  • DApps(ブロックチェーン上のプログラムを使うサービス。DeFiを含む)への接続:基本的に、アクセスできないと整理されています。

自分で鍵を持つ形(アンホステッド)

  • 鍵を管理する人:利用者自身です。事業者は、鍵の管理を行いません。
  • 鍵をなくしたとき:紛失や盗難があると、資産の復旧は困難と整理されています。
  • 自分の操作ミスで起きること:鍵の紛失や、宛先やネットワークを間違えた誤送金で、回復が困難になることが挙げられています。
  • DeFiなどへの接続:利用する背景のひとつとして、挙げられています。

この整理は、優劣を示すものではありません。

国内の登録業者に預けるときの、法令の決まり

国内の暗号資産交換業者には、利用者の暗号資産の管理について、決まりがあります(2026年10月8日に確認した、資金決済法と、内閣府令です)。

法律の改正について(2026年10月8日確認)

2026年7月15日に、暗号資産のルールを、資金決済法から金融商品取引法へ移す法律が、成立しました(金融庁)。

暗号資産の部分の施行日(法律が実際に使われ始める日)は、確認できていません。施行後は、下に書いた条文の番号や内容が、変わることがあります。

  • 利用者の暗号資産を、自己の暗号資産と分けて管理する(資金決済法 第63条の11 第2項)
  • 利用者の暗号資産を移すための情報を、常時インターネットに接続していない方法などで管理する(暗号資産交換業者に関する内閣府令 第27条 第3項)
  • 管理の状況について、公認会計士か監査法人の監査を、定期に受ける(資金決済法 第63条の11 第3項)

「常時インターネットに接続していない方法」は、一般に、コールドウォレットと呼ばれます。

この2つの法令の条文には、この言葉は出てきません。

ただし、すべてが、その方法ではありません。

ほかの方法で管理できる部分も、あります。

管理する利用者の暗号資産全体の、円換算額の100分の5を超えない範囲で、業務上必要な最小限度です(内閣府令 第27条 第2項)。

その部分には、同じ種類・同じ数量の暗号資産を、業者が自己の資産として持つ決まりもあります(資金決済法 第63条の11の2)。

出典は、e-Gov法令検索です(資金決済法、暗号資産交換業者に関する内閣府令)。

資金決済法には、預けた人の権利を定めた条文があります(第63条の19の2)。

分けて管理されている暗号資産について、ほかの債権者より先に、返してもらえる権利です。

これは、法律が定める権利です。実際に戻るかどうかは、状況によります。

金融庁は、登録は信用性を担保するものではない、と案内しています(金融庁相談室)。

各社が、実際にどれだけを、オフラインで管理しているかは、確認できていません。

登録の確認は、金融庁の登録一覧で、取引所の登録を調べる方法で説明しています。

ウォレットの種類は、いくつかの見方があります

同じ報告書は、ウォレットを、いくつかの軸で分けています。

  • ホット/コールド:ホットは、常時インターネットにつながっているウォレットです。

    コールドは、オフラインで秘密鍵を管理するウォレットで、資産を移すときは、別の端末との接続が必要です。
  • ソフトウェア/ハードウェア:ソフトウェアは、ブラウザの拡張機能やスマホのアプリです。

    ハードウェアは、専用の物理デバイスで秘密鍵を管理し、署名(送金の承認)のときだけ、PCなどと接続します。

1つのウォレットが、複数の軸にまたがることもあります。

特定の製品は、紹介しません。

取引所から自分のウォレットへ送るとき

送金の案内は、会社ごとに違います。

  • Coincheck、bitbankのヘルプには、宛先の登録で、「プライベートウォレット」を選べると書かれています(Coincheck、bitbank)。
  • 取り消しについては、次のページに、まとめています。

手順と、送る前の確認項目は、送金の前に確認する項目で説明しています。

自分のウォレットが関わる場面

報告書は、アンホステッドのウォレットを使う背景として、次の3つを挙げています。

  • 秘密鍵を、自分で管理したい
  • DeFiなどを使う
  • 取引所が取り扱わないトークン(暗号資産)を、持ったり取引したりする

報告書には、DeFiの利用には、一定の金融知識が必要、とあります。

また、取引所が扱わないトークンは、詐欺などのリスクも、相対的に高い、とあります。

自分で鍵を管理する場合の、シードフレーズ(ウォレットを復元できる単語の並び)の扱いは、シードフレーズの保管で避けたいことで説明しています。

この扱いは、取引所に預ける形では、関係しません。

この記事で、確認できていないこと(2026年10月7日)

取引所に預けた状態が、法令上どの区分に入るかを、国の機関が一言で説明した資料は、確認できませんでした。

自己管理のウォレットについて、金融庁が直接出した注意喚起も、確認できませんでした。

預金保険などの対象になるかは、確認していません。

この記事は、誰が書き、どう確認していますか

書き手は、このサイトの運営者の、石橋ガイド(ペンネーム)です。公的機関や各社の公式ページの原文を開き、確認できたことだけを書いています。

この記事は、デジタル庁の委託調査報告書、金融庁、e-Gov法令検索の資金決済法、Coincheck、bitbankの公式ヘルプを、2026年10月7日に確認して書いています。

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