販売所と取引所(板取引)の違いと、購入前に見ておきたい点

最終確認日: 2026年10月10日(サービスの画面や条件は変わるため、最新は公式ページで見てください)

買う画面を開くと、「販売所」と「取引所」が並んでいる。どちらを押せばよいのか分からないまま、時間だけが過ぎる。

2つは、売買の相手が違います。選ぶ画面によって、注文のしかたも変わるため、買う前に、違いを知っておきます。

画面の「販売所」と「取引所」の下に、「会社が相手」「ほかの利用者が相手」と、メモを足してみてください。

販売所は、会社が売買の相手です。取引所(板取引)は、ほかの利用者が相手です。

2つの違いは、売買の相手がだれかと、価格の決まり方です。

そこから、費用の見え方と、注文のしかたも変わります。

これは、3社の公式の説明と、金融審議会の報告書にある呼び分けです。

会社によって、仕組みは少し違います。どちらがよいか、という優劣は、この記事では書きません。

読み終えたときに、どちらの画面で買うか、費用をどこで見るかを、決められる状態を目指します。

ここで「取引所」と書くときは、「板取引」という売買の形を指します。

板とは、買いたい人と売りたい人の、注文の一覧のことです。

サービスを運営する会社は、「交換業者」と呼びます。

販売所と取引所の違いの図

売買の相手が変わる

3社の公式の説明を、並べます(確認日 2026年10月10日)。

会社販売所取引所
Coincheck会社を相手に、売買する。売買価格は、会社が提示するお客さま同士で取引する。板情報をもとに、注文を出す
bitFlyer相手は、bitFlyerになる。bitFlyerの提示する価格で、売買する相手は、他のお客様等になる。価格は、お客様同士の需給で決まる
bitbank当社が相手方となって、お客様と売買する。当社が提示する価格で、購入または売却する売りたいお客様と、買いたいお客様の注文を、直接マッチングさせる。当社は、取引の場所を提供し、売買を「媒介」する

金融審議会の報告書(2025年12月10日)にも、同じ呼び分けがあります。

顧客が、交換業者との間で売買を行うものが「販売所」、顧客どうしの注文のマッチング(売買の媒介)を行うものが「取引所」と、呼ばれています。

取引所でも、会社が相手方になる場合があります

3社の資料に、取引所での、会社の関わりが書かれています。

  • bitFlyer: 契約締結前交付書面に、会社の自己勘定の部門の反対注文と成立したときは、会社がお客様の相手方になる、とあります。

    ほかのお客様の注文と成立したときは、会社は媒介を行います。
  • bitbank: 契約締結前交付書面に、取引所で会社が相手方となる場合は限定的だが、生じることがある、とあります。

    会社がマーケットメイクを目的とした注文を出す場合がある、とも書かれています。
  • Coincheck: ヘルプに、約定の相手方が会社のときは、約定履歴の「当社と取引」の欄に〇が入る、とあります。

「取引所は、ほかの利用者が相手」というのは、基本の説明です。

会社の資料で、細かい扱いを確かめられます。

販売所で買った暗号資産は、取引所でも売れるか

bitFlyerとbitbankは、売れる、と説明しています。

  • bitFlyer: 販売所で購入したビットコインと、取引所で取引したビットコインは共通で、販売所と取引所を問わず、売買できます。
  • bitbank: 販売所と取引所で、資産は共通で、どちらでも売買できます。

価格の決まり方と、費用の見え方

販売所

販売所では、買う値段(買値)と、売る値段(売値)に、差があります。

この差を、「スプレッド」と呼びます。

bitbankの説明では、スプレッドは一定ではなく、市況で変わり、銘柄によっても違います。

費用の書き方は、会社で違います。

  • Coincheck: 取引手数料は無料と表示され、別に「手数料相当額」が載っています。

    相場の急変時などは、手数料相当額を含んだ価格を提示する場合があります。
  • bitFlyer: 売買手数料は無料です。

    購入価格と売却価格の差(スプレッド)を、お客様が負担する、と説明しています。
  • bitbank: 契約締結前交付書面兼説明書に、提示価格での取引で、それ以外の費用はないが、価格には手数料相当額が含まれる、とあります。

「無料」の表示でも、価格の中に、費用が含まれることがあります。

費用の見方は、手数料の記事にまとめています。→ 取引所の手数料、見るところはここ

取引所

取引所の価格は、利用者どうしの、需要と供給で決まります。

需要と供給とは、買いたい量と、売りたい量の、つり合いのことです。

bitbankの説明では、取引所は板取引のため、販売所のようなスプレッドはありません。

板を見て、いちばん安い売り注文と、いちばん高い買い注文の差を、確かめることはできます。

手数料の用語は、会社で違います。

  • メイカー(Maker)とテイカー(Taker): bitbankとCoincheckが使っています。

    bitbankの説明では、メイカーは、板に並んで、あとから成立する注文です。

    テイカーは、すでに板に並んでいる注文を、成立させる注文です。成行注文は、すべてテイカーです。
  • bitFlyer: 取引所の売買手数料は、成立した数量に、一定の割合をかける形で、書かれています。

手数料の数字は、変わります。この記事には書きません。

公式の手数料のページで、確認日を見てください。

取引所の注文のしかた

取引所では、板を見て、注文を出します。bitbankの説明に、注文の種類があります。

注文の種類内容
指値注文価格と数量を指定する。指定した価格か、それより有利な価格があれば成立する。なければ、指定した価格と数量が、板に並ぶ
成行注文数量だけを指定する。板から、その数量分を、買う(または売る)
逆指値注文指定した価格に達すると、指値注文か成行注文が出る(bitbankの書面)

Coincheckでも、取引所の注文は指値が基本です。逆指値や成行も使えます。

注文が成立しないことがあります

  • 指値注文は、指定した価格か、それより有利な価格でだけ成立します。

    市場の価格が届かないときは、成立しません。
  • 同じ価格の注文が複数あるときは、先に出した注文が、先に成立します。

    bitbankの説明では、優先の順は「価格」、そのあと「時間」です。

    bitFlyerの書面にも、価格優先と時間優先の原則があります。
  • Coincheckの説明では、取引所は、板に並んでいる注文と成立します。

    表示されるレートやチャートの価格は、参考です。

    指定した金額になっても、近い反対の注文が板にないときは、成立しません。
  • 未成立の指値注文の有効期限は、会社で違います。

    Coincheckは、期限がなく、成立するか取り消すまで有効です。

    bitFlyerは、30日で、期間が過ぎると自動で取り消されます。

    bitbankは、期限の記載を確認できませんでした。公式ヘルプで確かめてください。

取り消しと、訂正

  • 取り消せるのは、成立していない注文だけです。

    成立した注文は、取り消せません(bitbank、Coincheckの説明)。
  • Coincheckでは、一部だけ成立した注文を取り消すと、成立していない数量だけが取り消されます。
  • Coincheckとbitflyerでは、取引所の注文を、訂正(編集)できません。

    いったん取り消して、もう一度、注文を出します。bitbankは、確認できませんでした。

販売所では、購入のあと、取り消せない場合があります。→ 入金から最初の購入までの流れ

扱う暗号資産と、画面の見つけ方

扱う暗号資産

販売所と取引所で、扱う暗号資産が違うことがあります。

  • Coincheck: 取引所で扱うのは、取り扱う暗号資産の一部です。

    販売所だけで売買できる銘柄も、取引所だけで取引できる銘柄も、あります。
  • bitFlyer: 販売所と取引所(かんたん取引所、bitFlyer Lightning)で、取り扱いの一覧が、別の表になっています。
  • bitbank: 契約締結前交付書面に、取引所取引と販売所取引で、異なった通貨ペアや数値・数量が設定されている、とあります。

扱う暗号資産の数は、変わります。買いたい暗号資産は、使う会社の画面や、公式の一覧で、確かめます。

画面での見つけ方

  • bitbank: アプリは、HOME画面の「取引所」「販売所」から、選びます。

    パソコンは、画面上の「取引所」「販売所」で、切り替えます。
  • Coincheck: アプリでは、画面下のメニューの「販売所」から使います。

    取引所は、アプリでは使えません。ブラウザ(Web)のメニューの「取引所」から使います。

    ヘルプには、パソコンのChrome最新版が推奨で、スマホのブラウザでは、機能や表示に制限が出る場合がある、とあります。
  • bitFlyer: サービスは、「販売所」「かんたん取引所」「bitFlyer Lightning」の3つに分かれています。

最小の注文数量

最小の注文数量は、会社と画面ごとに決まっています。

たとえばbitFlyerでは、ビットコインの最小注文数量が、販売所と取引所で違います(取引所は0.001BTC、販売所は0.00000001BTC。2026年9月29日更新)。

数字は変わるため、使う会社の公式の一覧で、確かめます。

金融審議会の報告書の指摘

この節は、報告書にある指摘です。上の、各社のヘルプの事実とは、別の話です。

金融審議会の報告書(2025年12月10日)には、次の指摘があります。

  • 「販売所」と「取引所」の両方を提供する会社のなかに、「販売所」のほうが会社にとって収益性が高いため、販売所での取引を誘導しているのではないか、という懸念も指摘されている。
  • アプリの画面で、「販売所」へは行きやすく、「取引所」への道筋は分かりにくいケースがある、との指摘がある。

特定の会社について、書かれたものではありません。

この記事は、どの会社も、そうしている、とは書きません。

画面で、「取引所」が見つかるか。見つかったら、板と注文の種類を、見られるか。

購入の前に、自分の目で、確かめられます。

購入の前に、見ておくこと(運営者の整理)

見るもの見る場所
費用公式の手数料のページ。「無料」の表示と、価格に含まれる費用を、分けて見る
注文の方法注文の画面、公式ヘルプ。価格を指定できるか。成立しないことがあるか
扱う暗号資産画面、公式の一覧
使える端末公式ヘルプ。アプリで使えるか、ブラウザだけか
登録の有無金融庁の一覧

交換業者が登録を受けているかは、こちらで調べられます。

→ 金融庁の登録一覧で、取引所の登録を調べる方法

選ぶ前に決めておく条件は、こちらにあります。→ 取引所を選ぶ前に決めておきたい条件

暗号資産は、価格が変わることがあります(金融庁)。

この記事の位置づけ

この記事は、公式の説明を整理したものです。運営者の購入や売却の経験にもとづくものでは、ありません。

費用の大きさや、画面の使いやすさは、会社と取引の内容で変わります。

数字(手数料、銘柄の数)は、変わるため、書いていません。

使う会社の公式ページで、最新の内容を見てください。

出典(確認日 2026年10月10日)

この記事は、誰が書き、どう確認していますか

書き手は、このサイトの運営者の、石橋ガイド(ペンネーム)です。公的機関や各社の公式ページの原文を開き、確認できたことだけを書いています。

この記事は、bitbank、Coincheck、bitFlyerの公式ヘルプと説明書、金融審議会の報告書を、2026年10月10日に確認して書いています。運営者の購入や売却の経験にもとづくものでは、ありません。

運営者の考えは、「運営者の考え」と書いて、事実と分けています。

出典と最終確認日は、記事の中に書いています。確認の方法と更新のルールは、調査方法と更新ルールに、運営者の紹介は、運営者情報にあります。