暗号資産のリスクを先に知る。起きうる損と失敗
最終確認日: 2026年10月10日(公的機関のページは、更新されることがあります。数字は、公表の年と、確定値か暫定値かを、あわせて書いています)
始める前に、「損をするかもしれない」とだけ思って、何が怖いのか、はっきり言えない。
損や失敗は、原因によって、確かめる先が違います。だから、先に原因を分けて、全体を見ておきます。
怖さに名前がつくと、少し扱いやすくなります。価格、会社、だまされる場面、自分の操作。この4つが、その名前です。
暗号資産で起きうる損や失敗は、4つに分けると、見えやすくなります。
価格、取引する会社、だまされる場面、自分の操作です。
この記事は、その地図です。公的機関が書いていることを中心に、事実を並べます。
不安をあおるためではなく、先に知っておくための記事です。詳しい対処は、別の記事で説明します。

価格は、どう動くか
金融庁は、次のように案内しています。
- 「暗号資産は『法定通貨』ではありません。」
- 「暗号資産は、価格が変動することがあります。」
金融庁の相談室のページには、「価格が急激に低下するリスクなど、暗号資産ごとに様々なリスクがあることを十分ご理解ください」とあります。
交換業者も、書面で、リスクを説明しています。
その一例として、Coincheckの「リスク等の広告記載事項」には、次の記載があります。
- 暗号資産は、日本円や外国の通貨とは異なる。
- 価格は変動するため、損失が生じる場合がある。
- 移転記録の仕組みの破綻などで、価値が失われる場合がある。
ほかの会社も、契約を結ぶ前の書面で、リスクを説明しています。各社の書面で、確かめられます。
この記事では、価格の予想は書きません。
取引する会社は、登録があれば大丈夫か
日本で暗号資産の売買を行う会社は、登録が必要です。登録の有無は、金融庁の一覧で調べられます。
令和8年9月30日現在、一覧には、27業者が載っています(2026年10月22日に確認)。
ただし、登録は、確かめる入口です。金融庁の相談室のページには、次の文があります。
- 「登録業者であることをもって、信用性を担保するものではありません。また、登録業者が取り扱う暗号資産であるからといって、リスクがないということではありませんのでご注意下さい。」
- 登録のない業者は、金融庁や財務局の検査・監督の対象ではなく、JVCEA(業界団体)も利用できないため、利用者保護を図ることができない。
登録業者に対しても、金融庁は、行政処分を公表しています。
2022年のFTX Japan、2024年のCoinBestとDMM Bitcoinの例が、公表されています。
処分の理由は、この記事では書きません。公表のページで、確かめられます。
預けた資産の決まりや、会社が止まったときの見る場所は、こちらにあります。
だまされる場面は、どれくらいあるか
暗号資産に関する相談の件数
国民生活センターのPIO-NET(相談の記録)で、「暗号資産」や「仮想通貨」などの語を含む相談の件数です。
消費生活センターなどから経由した相談は、含まれません。被害の件数では、なく、相談の件数です。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2023年度 | 8,498件 |
| 2024年度 | 7,261件 |
| 2025年度 | 8,132件 |
(2026年7月31日更新のページ)
SNS型の詐欺全体の数字
次の数字は、暗号資産に限らない、SNS型の詐欺全体の数字です。警察庁が公表しています。
期間が違うため、並べて、増減を比べないでください。
| 区分 | 2025年(確定値) | 2026年8月末(暫定値) |
|---|---|---|
| SNS型投資詐欺の件数 | 9,523件 | 7,097件 |
| SNS型投資詐欺の被害額 | 1,288.0億円 | 937.4億円 |
| SNS型ロマンス詐欺の件数 | 5,645件 | 3,506件 |
| SNS型ロマンス詐欺の被害額 | 546.4億円 | 325.8億円 |
(2025年の数字は2026年6月5日の公表、2026年の数字は2026年10月2日の公表です。暫定値は、あとで変わります。)
手口の特徴
国民生活センターの、2026年9月1日の注意喚起は、SNS上の投資勧誘の手口を、次のように説明しています。
暗号資産に限らない、手口です。
- SNSで、著名人を名乗る、または画像を無断で使ったアカウントや広告から、勧誘が始まる。
- 投資のグループに誘い、少額の利益を見せて信用させ、追加の送金をすすめる。
- 個人名義の口座に、振り込ませる。
- 出金のときに、手数料や税金の名目で、追加の入金を求める。
助言として、「SNS上で投資等の勧誘を受けた場合は、まず疑ってみるようにしましょう」とあります。
通常の株やFXなどの取引で、個人名義の口座に振り込ませることはなく、指定された口座が個人名義なら詐欺です、とも書かれています。
国民生活センターの見守り情報には、SNSで知り合った異性に、暗号資産の投資をすすめられ、「認証金」を求められた事例があります。
「いったん振り込んでしまうと、被害回復は極めて困難です」とあります。
金融庁の相談室のページにも、マッチングアプリやSNSで知り合った人に、登録のない業者をすすめられる被害が多発している、とあります。
立ち止まる合図と、相談先は、こちらにまとめています。
自分の操作で、起きること
この節の分け方は、運営者の整理です。業界団体などの文章で、確認できたものを書きます。
JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)の「暗号資産に関する詐欺に遭わないために」には、次のことがあります。
- 秘密鍵、シードフレーズ、二段階認証のコードは、だれとも共有しない。
「本人確認のため」「復元のため」といった理由でも、入力や共有をしない。 - 送金の前に、相手、URL、アプリの信頼性を、もう一度確かめる。
- 偽のサイトやアプリは、公式に似せたURLや、検索結果・広告に紛れ込むことがある。
- 被害にあったときの初動は、ウォレットの連携の解除、パスワードと二段階認証の変更、取引所への連絡、証拠の保存。
Coincheckの広告記載事項には、秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を使えず、その価値が失われる、とあります。
送金の間違い、シードフレーズの扱い、口座の乗っ取りへの備えは、別の記事で整理しています。
税金は、どうなるか
国税庁の案内には、次の2つがあります。
- 暗号資産を売却または使用して生じた利益は、原則として「雑所得」にあたる(令和5年9月1日現在の法令にもとづく案内)。
- 雑所得の金額の計算で生じた損失は、他の所得と損益通算できない(タックスアンサー No.1500。令和8年4月1日現在)。
2つ目は、雑所得全般の説明です。暗号資産だけの文では、ありません。
暗号資産の利益の課税関係は、タックスアンサー No.1524から、国税庁の別の資料へ案内されています。
自分の場合は、税務署や税理士に、確認してください。→ 税金・法律の確認先
法律の改正
令和8年法律第64号が、2026年7月15日に成立しました。
暗号資産のルールは、資金決済法から、金融商品取引法に移ります。
金融庁の2026年7月29日のページには、無登録業への罰則の引き上げと、証券取引等監視委員会の犯則調査権限の追加の規定が、公布の日から20日を経過した日(2026年8月12日)から施行される、とあります。
暗号資産の規制の部分の施行日は、2026年10月10日に確認した範囲では、公的な出典で確認できていません。
4つのリスクを、見分けるには
4つのリスクは、確かめる先が、それぞれ違います。
- 価格: 暗号資産ごとのリスクの説明(交換業者の書面)
- 取引する会社: 金融庁の登録一覧と、行政処分の公表
- だまされる場面: 国民生活センターと、警察庁の注意喚起
- 自分の操作: JVCEAの注意と、各社のヘルプ
次の一歩は、会社の登録を調べることです。→ 金融庁の登録一覧で、取引所の登録を調べる方法
困ったときは
消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどにつながります。
全国共通で、相談は無料です(通話料は、かかります)。
警察への相談は、「#9110」(警察相談専用電話)です。
金融庁にも、「金融サービス利用者相談室」と、「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」があります。
電話番号と、受付の時間は、公式のページで見てください。
金融庁の相談室は、個別のトラブルの、あっせん・仲介・調停は、できません。
登録業者とのトラブルが解決しないときは、JVCEAに相談できます(会員の会社の場合)。
登録のない業者に、だまされたと考えるときは、近くの警察に、相談します。
この記事の位置づけ
この記事は、公的機関の説明を、整理したものです。
特定の暗号資産や、取引をすすめるものでは、ありません。数字は、変わります。
最新は、各機関の公式のページで、見てください。
出典(確認日 2026年10月10日)
- 金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」 https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index.html
- 金融庁 金融サービス利用者相談室「暗号資産に関する相談」 https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/advice05.html
- 金融庁 金融サービス利用者相談室 https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/index.html
- 金融庁 暗号資産交換業者登録一覧(令和8年9月30日現在) https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf
- 金融庁 FTX Japan への行政処分(2022年11月10日) https://www.fsa.go.jp/news/r4/sonota/20221110/20221110.html
- 金融庁 CoinBest への行政処分(2024年6月14日) https://www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/20240614-2/20240614.html
- 金融庁 DMM Bitcoin への行政処分(2024年9月26日) https://www.fsa.go.jp/news/r6/sonota/20240926/20240926.html
- 金融庁「国会提出法案等」 https://www.fsa.go.jp/common/diet/index.html
- 金融庁 関係政令の公布(2026年7月29日) https://www.fsa.go.jp/news/r8/shouken/20260729/20260729.html
- Coincheck公式ヘルプ「リスク等の広告記載事項」 https://faq.coincheck.com/answer/6875f8c14cf8a45c070db8df
- 国民生活センター「暗号資産に関する相談(PIO-NET)」(2026年7月31日更新) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/crypto.html
- 国民生活センター 注意喚起(2026年9月1日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260901_1.html
- 国民生活センター 見守り情報(第530号、2025年12月11日) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen530.html
- 警察庁「令和7年のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等」(2026年6月5日) https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/260605/01.html
- 警察庁 令和8年8月末の暫定値(2026年10月2日) https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/261002/01.html
- 警察庁 警察相談専用電話(#9110) https://www.npa.go.jp/bureau/soumu/soudan/soudanmadoguti.pdf
- JVCEA「暗号資産に関する詐欺に遭わないために」 https://jvcea.or.jp/cryptocurrency_fraud/
- 国税庁 確定申告書等作成コーナーのよくある質問(令和5年分) https://www.keisan.nta.go.jp/r5yokuaru/cat2/cat21/cat214/cid428.html
- 国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1524.htm
- 消費者庁 消費者ホットライン188 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/

